にほんご書店そうがく社
日本語教育
日本語学
ISBN9784894764132
留学生の日本語は、未来の日本語
日本語の変化のダイナミズム
出版社
ひつじ書房
著者
金澤裕之
定価
2940円(本体2800円)
体裁
A5判 289頁
【解 説】
副題は、「日本語の変化のダイナミズム」です。タイトルと重ねてみると本書の内容が見えてきます。何も留学生が使う日本語が将来の日本語になるという雑な話ではありません。現在の日本語の変化の兆しから、将来の言語変化を見通してみようとするもので、言語変化を考察した研究書といえます。現代日本語を統語的にとらえたときに見えてくる「ゆれ」や誤用の現象と、日本語学習者に見られる中間言語的な「誤用」との重なりから、言語変化のメカニズムを見通せるのではないかというものです。 日本語の変化を予想することにどんな意味があるのかを考えてしまうと、本書に対する評価は低く見積もられてしまいそうですが、過去から現在にいたる言語変化を分析するだけでなく、今後の変化の予測にまでいたる一貫した言語変化の理論というもののほうが妥当性をもちえるのではないかと思います。現代日本語の「ゆれ」が、日本語学習者の誤用に見られる合理的な言語変化の方向へむかっているケースが多いという指摘は、町田健の「日本語の正体」で提示される「言語処理過程における最大の効率性を実現するように言語の諸規則は決定される」という基本原理に通じるものがあることは、興味深い指摘といえます。