にほんご書店そうがく社
総合教科書
初級
ISBN9784894764491

日本語がいっぱい


出版社 ひつじ書房
著者 李徳泳・小木直美・當眞正裕・米澤陽子
定価 3,150円(本体3,000円)
体裁 26cm 402頁

【解 説】
 日本人と外国人の2人の登場人物による国内・海外の様々な場面で展開される会話を軸においた英語母語話者向けの初級教科書です。話し言葉の特徴・待遇表現を初期段階から取り入れ、自然な日本語対話の習得を目標としているのが特色です。ほかの初級教科書の多くは、文法習得に力点をおき、文型理解に適した会話モデルを学習素材として扱います。いっぽう本書は、実践的な会話習得のために文法構造シラバスと機能状況シラバスの融合を取り入れ、モデル会話の提示も「自然な日本語」会話を基本にしています。学習の初期段階での会話文には不自然さが目立ってしまいますが、この不自然さも後半に進むにつれ徐々に薄れていきます。
 同社既刊の「自然な日本語を教えるために」の知見を借用すると「日本語話者は共同で話す」については、積極的に学習項目として位置付けられていますが、「見えのままに話す」については、会話設定の工夫(異文化の2人の対話・国内外の場面)は良いものの、思ったほど生かされていないと感じます。いずれにせよ今後の初級会話教材の先行的事例になりうる教科書の1つだと思います。最後に、各ページ余白に課表示がないため見づらく、レイアウト構成の再検討は必要だと思います。